建築家よりメッセージ
美容室Keizo 完成に寄せて
2006年1月24日に敬三さんから美容室「Keizo」をリニューアルすることに対する具体的なオモイを聞かせて頂きました。そこで、当時23歳だった私にKeizo新店舗の設計を一任して頂き、その大きな期待を裏切らないよう全力で完成まで取り組み、オープンに至るまでおよそ17ヶ月の月日を要しました。
敬三さんとは、私が物心ついたかついてないかという年の頃、およそ20年ほど前に母親に連れられて行ったお店で出会ったことに遡ります。今でも朧げながらそこのお店に向かう道中を歩いた記憶や、お店の中の雰囲気は覚えています。
小学生の頃は床屋で髪を切っていましたが、高校生になった頃から現在の地で営業されていたKeizoでお客さんとして通い出しました。大学生の頃には不思議な巡り合わせから敬三さんのご子息を家庭教師させていただくことになり、より親密なご縁を感じていました。当時、お店を改装するようなことになった際に設計できれば幸せだろうなと思っていましたが、今回のリニューアル計画といろいろなタイミングが重なったことから関わらせていただくことになり計画はスタートしました。
この度オープンした新店舗は以前までの店舗とは外観も内部も全く異なりますが、本来目指されていた「Keizo」の理想とする空気を空間化させて頂きました。
誰もが居心地よく
自然が身近に感じられ
今までの「Keizo」らしさも損なわない
そんなイメージを根底に浸し、新しい空間を創造しました。どの場所にも、どの線にも、一つ一つに意味があり、それが訪れる人に感じてもらえるように、訪れる度、座る場所が変わる度に、「Kezio」で発見がある。そんな場になっていると思います。太陽の光、風の動き、窓から見える緑や空が、見る人の側に近寄ってきてくれます。空間の力を信じて建築に夢を託して設計させて頂きました。
最後になりましたが「Keizo」リニューアル計画に関わって頂いた全ての方々に感謝致します。ありがとうございました。
2007-07-03
クニヤス建築設計 武田 邦康(タケダ クニヤス)